今日はありがとうございます。最初に、鈴木さんの経歴を教えていただけますか?
鈴木
高校を卒業してすぐ、地元にある鉄鋼会社へと就職しました。今から約12年前ですね。当時は北京オリンピックの影響で鉄鋼業界が盛り上がっている時期。私が入社した会社も毎月過去最高収益を更新していました。おかげで新卒にもかかわらず、十分な額の賞与をいただける状況で、いま考えれば順風満帆な社会人生活のスタートだったと思います。
この会社には12年間在籍してリーダーや教育担当などを経験した後、ソフトウェア系の派遣エンジニアへと転職。約1年間勤務し、2020年1月にユニキャストへ入社しました。
順調なスタートを切ったにもかかわらず、なぜ転職を考えたのでしょうか。
鈴木
大企業でも倒産する可能性がないとは言えない時代に、組織に依存して働くのは抵抗があったんです。2年目ごろにはもう、定年まで勤め上げるイメージを持っていませんでした。「人生を変えてみたい」。なんとなくそう考えてはいたものの、高待遇の仕事を辞める勇気がなかなか持てず、働きながら独学で色々なことに挑戦していましたね。
鈴木
また、消費者との距離感が自分の理想とは違ったことも、転職を考えた理由の一つです。製造業は待遇は良かったものの、世の中の反応が見えづらい。ダイレクトに反応を受け取れる仕事がしたいと思う一方で、鉄鋼会社ではそれが叶えられず、ジレンマを抱えていました。
私がプログラミングをはじめたのは、ちょうどスマートフォンが登場した頃。テクノロジーが世の中を大きく変えていったタイミングです。こうしたサービスに携われれば、社会に直接影響を与えられるのではないか。そう考え、プログラミングの勉強をスタートしました。
自分でWebサイトやスマホアプリを作っていたそうですね。
鈴木
はい。プログラミングができると周囲に伝えていたことがきっかけで、知人に声をかけてもらい、美容室やエステサロンなどのWebサイトを作成しました。仕事のかたわら作業をしていたので時間の捻出が大変でしたが、喜んでもらえて、やりがいを感じられました。
個人では、iOS向けのクイズアプリを作りました。ユーザーがアプリの紹介をTwitterに投稿することで、より難易度の高いステージがアンロックされる機能を実装したところ、一人の方が実際にツイートしてくれたんです。ユーザー数は少なかったものの、エンドユーザーの反応を確認でき、とても感動したことを今でも覚えています。
ユニキャストに入る前のエンジニア職では、どのような業務を担当していましたか?
鈴木
前職では派遣エンジニアとして、大きなソフトウェアの一部分を開発していました。それまで独学でWebサイトやアプリを作っていたものの、実務でプログラミングをするのは初めて。開発の大きさや複雑さなど、すべてが新しいことばかりで良い経験になりました。